地域分析記事

地域の暮らしと地域課題を数学とデータで考える

地方のスーパーはなぜ撤退するのか~人口減少だけでは説明できない店舗経営の構造

地方のスーパーが閉店すると、「人口が減ったから仕方がない」と説明されることがあります。

確かに、商圏人口の減少は店舗経営に大きな影響を与えます。しかし、人口が減少している地域のスーパーがすべて撤退するわけではありません。反対に、人口が比較的維持されている地域でも、競争激化、人手不足、建物の老朽化、物流費の上昇などを理由に店舗が閉鎖されることがあります。

地方スーパーの撤退は、人口だけでなく、次の要素が重なって起こります。

  • 商圏内の人口と世帯数
  • 高齢化と1世帯当たりの購入量
  • 来店客数と客単価
  • 競合店との距離
  • ドラッグストアやコンビニエンスストアとの競争
  • 人件費と採用難
  • 電気料金と冷蔵・冷凍設備の維持費
  • 商品配送にかかる物流費
  • 生鮮食品や総菜の値引き・廃棄
  • 建物や設備の更新費
  • 本部が店舗に求める収益水準
  • 店舗網全体の再編方針

つまり、地方スーパーの撤退は、単純な「人口減少の結果」ではありません。

人口減少によって売上の上限が下がる一方で、人件費、電気料金、物流費、設備更新費などの固定的な負担が下がりにくくなり、最終的に必要な利益を確保できなくなる問題です。

最初に結論

地方スーパーが撤退する最大の構造的理由は、次の関係にあります。

店舗利益 =売上高 -商品仕入原価 -人件費 -電気・燃料費 -物流費 -建物・設備費 -廃棄・値引き損失 -その他の経費

人口が減少すると、店舗の売上高は減少しやすくなります。

しかし、売上が10%減少しても、従業員数、冷蔵設備、照明、配送回数、建物面積などを同じ10%だけ減らせるとは限りません。営業を続けるために必要な最低限の費用が残るからです。

さらに、近年は食品価格の上昇によって売上高が増えていても、販売数量や利益まで増えているとは限りません。

経済産業省の商業動態統計によると、2025年のスーパー販売額は前年比4.7%増加し、1店舗当たり販売額と店舗数も増加しました。しかし、これは全国集計です。都市部の新規出店や大型店の成長を含むため、人口減少地域にある個別店舗の経営改善を示すものではありません。

したがって、地方スーパーの問題を理解するには、

「全国のスーパー市場が成長しているか」

ではなく、

「その店舗の商圏で、必要な来店客数と粗利益を確保できているか」

を見る必要があります。

スーパーの売上は何で決まるのか

スーパーの売上高は、概念的には次のように分解できます。

売上高 =1日当たり来店客数 ×1人当たり購入額 ×営業日数

例えば、1日1,500人が来店し、1人当たり2,000円購入する店舗では、1日の売上高は約300万円です。

ところが、来店客数が1,200人に減少すると、客単価が変わらなければ売上高は約240万円となります。

1日当たりの差は60万円です。

年間360日営業すると仮定すれば、単純計算では年間約2億1,600万円の売上差になります。

実際には、値上げによって客単価が上昇したり、営業時間や品ぞろえを変更したりするため、売上高がこのまま減少するとは限りません。しかし、客数の減少が長期間続けば、店舗の採算を維持することは難しくなります。

全国スーパーマーケット協会の2025年版白書では、2024年の年次統計調査における中央値として、平日の1日客数が1,675人、客単価が2,191円、土日祝日の1日客数が1,800人、客単価が2,555円と示されています。これらは全国の調査対象店舗の中央値であり、地方の小規模店舗にそのまま当てはめることはできませんが、スーパーが相当数の来店客を前提にした事業であることは分かります。

人口減少だけでは不十分な理由

人口と来店客数は同じ割合では減らない

商圏人口が10%減少したからといって、店舗の来店客数が必ず10%減るわけではありません。

競合店が閉店すれば、残った店舗に利用者が集中することがあります。反対に、新しいドラッグストアや大型店が開業すれば、人口が変わらなくても来店客数が減ることがあります。

来店客数は、おおむね次の要素によって決まります。

来店客数 =商圏人口 ×来店可能率 ×店舗選択率 ×来店頻度

商圏人口が維持されていても、自動車で別の市町村に買い物へ行く人が増えれば、地元店舗の店舗選択率は下がります。

人口が減少していても、競合店が少なく、地域住民から支持されている店舗なら、一定の利用者を確保できる可能性があります。

高齢化すればスーパーの需要が増えるとは限らない

高齢者は食料品を必要とするため、高齢化地域でもスーパーの需要はなくなりません。

一方で、高齢化によって次の変化が起こることがあります。

  • 1世帯当たりの人数が減る
  • 1回当たりの購入量が減る
  • 自動車を運転できない人が増える
  • 重い商品を持ち帰りにくくなる
  • 店舗までの移動回数が減る
  • 宅配、生協、移動販売へ移行する
  • 調理済み食品の需要が増える
  • 少量商品への需要が増える

高齢者世帯が増えると、総菜や少量包装への需要は高まる可能性があります。しかし、少量包装は包装、加工、品出しなどの手間が相対的に大きくなることがあります。

したがって、高齢化は単なる需要減少ではなく、需要内容の変化として捉える必要があります。

全国売上の増加と地方店舗の撤退は矛盾しない

全国のスーパー販売額が増えているのに、なぜ地方のスーパーは閉店するのでしょうか。

この二つは矛盾しません。

全国の販売額は、次の要因でも増加します。

  • 食品価格の上昇
  • 都市部への新規出店
  • 大型店舗の増加
  • 高付加価値商品の販売
  • 総菜や冷凍食品の需要増加
  • 一部企業への売上集中
  • 店舗統合後の大型店への顧客集中

仮に販売数量が変わらなくても、平均価格が5%上がれば、名目上の売上高は約5%増えます。

しかし、仕入価格も上昇していれば、店舗の利益が同じ割合で増えるわけではありません。

重要なのは売上高そのものではなく、粗利益です。

粗利益 =売上高 -商品仕入原価

さらに、店舗が最終的に残せる利益は、粗利益から人件費、電気料金、物流費、設備費などを差し引いた金額です。

売上高が増えていても、費用の増加がそれを上回れば、店舗の利益は減少します。

原因1~商圏人口と世帯構成の変化

地方スーパーにとって、人口減少は売上の上限を下げる要因です。

特に影響が大きいのは、単なる人口総数ではなく、店舗周辺の商圏人口です。

同じ市町村の中でも、人口が比較的集まる中心部と、住宅が分散する周辺部では店舗経営の条件が異なります。

例えば、市町村全体の人口が2万人であっても、住民が広い範囲に分散していれば、店舗までの移動距離が長くなります。住民が隣接自治体の大型店を利用している場合、市町村人口のすべてが地元店舗の顧客になるわけではありません。

また、人口が同じでも、世帯構成によって食品需要は変わります。

  • 子育て世帯が多い地域
  • 単身高齢者が多い地域
  • 観光客が多い地域
  • 別荘や二地域居住が多い地域
  • 昼間人口が多い地域
  • 通勤によって昼間人口が減る地域

これらでは、来店時間、購入量、需要商品が異なります。

地方店舗を分析するときは、市町村人口だけではなく、店舗から一定時間で到達できる範囲の人口、世帯数、年齢構成、昼間人口、競合店舗を確認する必要があります。

原因2~ドラッグストアとの競争

近年、地方の食品スーパーにとって大きな競争相手になっているのがドラッグストアです。

ドラッグストアは医薬品、化粧品、日用品だけでなく、飲料、菓子、調味料、冷凍食品、牛乳、卵などを販売する店舗が増えています。

2025年の経済産業省の統計では、ドラッグストア販売額が前年比5.5%増加し、食品や調剤医薬品などが増加要因となりました。

ドラッグストアは、医薬品や化粧品など食品以外の商品からも利益を得られます。そのため、一部の食品を低価格で販売し、来店を促す戦略を取ることができます。

これに対して、食品スーパーは、生鮮食品や総菜の売上比率が高く、鮮度管理、加工、値引き、廃棄などの負担があります。

ドラッグストアが地域に出店すると、住民が食品をすべて移行するわけではありません。しかし、牛乳、飲料、菓子、冷凍食品、調味料など、保存しやすい商品がドラッグストアへ流れる可能性があります。

その結果、スーパーには管理が難しい生鮮食品や総菜の販売負担が残り、利益を得やすい商品の売上が減ることがあります。

原因3~大型店と地域外店舗への顧客流出

地方では、自動車を使って買い物をする世帯が多いため、行政区域の境界は必ずしも商圏の境界になりません。

住民は、町内の店舗よりも、

  • 品ぞろえが多い
  • 価格が安い
  • 駐車場が広い
  • 他の店舗と一緒に利用できる
  • 飲食店や医療機関にも立ち寄れる

といった条件を持つ近隣都市の大型店を選ぶことがあります。

道路が整備され、移動時間が短くなることは住民にとって便利です。一方、地元店舗にとっては、商圏外への顧客流出を促す場合があります。

このため、交通利便性の向上が、必ずしも地元商業の維持につながるわけではありません。

道路整備によって、地域外から顧客を呼び込める店舗もありますが、品ぞろえや価格で劣る店舗では、逆に顧客が外へ流出する可能性があります。

原因4~人手不足と人件費

スーパーは、多くの作業を人に依存しています。

主な業務には、次があります。

  • 商品の荷受け
  • 品出し
  • 発注
  • 在庫管理
  • レジ対応
  • 生鮮食品の加工
  • 総菜調理
  • 清掃
  • 値引き
  • 廃棄処理
  • 衛生管理
  • 売場変更
  • 顧客対応

セルフレジや自動発注を導入しても、すべての作業を無人化できるわけではありません。

全国スーパーマーケット協会の調査では、人手不足への採用対策に取り組む企業の割合が高く、2023年調査では採用活動に関する人手不足対策の実施率が98.1%でした。また、同調査では、同じ売場面積区分でも、都市圏店舗の従業員1人当たり年間売上高が地方圏を上回る傾向が示されています。

これは、地方店舗では従業員1人当たりの売上を確保しにくい可能性を示します。ただし、調査対象や店舗規模による違いがあるため、すべての地方店舗に当てはまるとは限りません。

地方では若年人口が少なく、早朝、夕方、土日、祝日に働ける人材を確保しにくい場合があります。

人手が不足すると、店舗は次の対応を迫られます。

  • 営業時間を短縮する
  • 売場面積を縮小する
  • 加工商品を減らす
  • 総菜の種類を減らす
  • レジを減らす
  • 本部や他店から応援を出す
  • 時給を引き上げる
  • 省力化設備を導入する

しかし、省力化設備には初期投資と維持費が必要です。小規模店舗では、投資額を回収できないこともあります。

原因5~電気料金と冷蔵・冷凍設備

スーパーは、一般の小売店と比べて、冷蔵・冷凍設備を長時間稼働させる必要があります。

冷蔵ケース、冷凍ケース、バックヤードの冷蔵庫、冷凍庫、空調、照明、調理設備などが必要です。

電気料金は、単純な使用量だけでなく、契約電力、燃料費、託送料金、再生可能エネルギー発電促進賦課金などの影響を受けます。資源エネルギー庁によると、自由化後の電気料金には、発電・調達費、人件費などのほか、送配電網の利用料金である託送料金や各種公租公課などが含まれます。

店舗の売上が減っても、食品を安全に保存するために冷蔵・冷凍設備を停止することはできません。

営業時間を短縮しても、冷蔵設備は閉店中も動かす必要があります。

そのため、来店客数が少ない店舗ほど、1人の顧客または1円の売上に対する電力費の割合が高くなりやすい構造があります。

原因6~地方物流の非効率性

スーパーでは、商品を継続的に配送する必要があります。

特に、生鮮食品、牛乳、豆腐、総菜材料などは、在庫を長期間持ちにくいため、一定の配送頻度が必要です。

物流費は、次の要素から構成されます。

物流費 =車両費 +燃料費 +運転者の人件費 +荷役費 +物流施設費 +配送管理費

人口密度が低い地域では、1回の配送で納品できる商品量が少なくなることがあります。

都市部であれば、短い距離で複数店舗へ配送できます。地方では店舗間の距離が長く、1店舗当たりの配送量も少ないため、商品1個当たりの物流費が高くなりやすくなります。

チェーン全体で見れば、遠隔地にある売上規模の小さい店舗を維持するために、専用の配送経路や長距離輸送が必要になることがあります。

店舗自体がわずかに黒字でも、物流網全体の効率を考えると、閉店や店舗統合が選ばれる場合があります。

原因7~生鮮食品と総菜の廃棄・値引き

食品スーパーは、生鮮食品や総菜を扱うことで、コンビニエンスストアやドラッグストアとの差別化を図っています。

一方、生鮮食品や総菜には、売れ残りの問題があります。

需要を正確に予測できなければ、次のどちらかが起こります。

  • 商品が足りず、販売機会を失う
  • 商品が余り、値引きや廃棄が増える

人口が少ない地域や、曜日・天候・観光客数による変動が大きい地域では、需要予測が難しくなる場合があります。

農林水産省によると、2024年度の事業系食品ロスは237万トンで、このうち食品小売業は48万トンでした。これはスーパーだけの数字ではありませんが、食品小売業全体で、売れ残りなどによる食品ロスが一定規模存在することを示します。

売れ残った商品を値引き販売すれば、廃棄量は減らせます。しかし、値引きによって粗利益は小さくなります。

また、値引き時刻が固定化すると、消費者が値引きを待つようになり、通常価格での販売が減る可能性もあります。

重要なのは、廃棄をゼロにすることではなく、欠品による機会損失と、過剰在庫による値引き・廃棄損失の合計を小さくすることです。

原因8~店舗と設備の老朽化

地方スーパーの撤退理由として見落とされやすいのが、建物と設備の更新問題です。

営業を継続するには、次の設備を更新する必要があります。

  • 冷蔵・冷凍ケース
  • 空調設備
  • 照明
  • レジシステム
  • 発注・在庫管理システム
  • 厨房設備
  • 防火設備
  • 給排水設備
  • 屋根・外壁
  • 駐車場舗装
  • 看板
  • 非常用電源
  • バリアフリー設備

日常の営業では利益が出ていても、数億円規模の改装や建て替えが必要になれば、企業は将来の投資回収可能性を検討します。

投資回収年数は、概念的には次のように表せます。

投資回収年数 =更新投資額 ÷更新後の年間利益増加額

例えば、改装に3億円必要で、改装による年間利益の増加が2,000万円と見込まれる場合、単純な回収年数は15年です。

しかし、商圏人口が今後も減少すると予測される地域では、15年間にわたって利益を維持できる保証はありません。

そのため、現在赤字だから閉店するのではなく、次の更新投資を回収できないため閉店することがあります。

原因9~賃貸借契約と土地・建物の問題

店舗が自社所有ではなく賃借物件の場合、契約更新や賃料改定が閉店の契機になることがあります。

また、店舗建物の所有者と運営会社が異なる場合、運営会社が営業継続を希望しても、建物所有者が建て替えや売却を選ぶ可能性があります。

一方、自社所有店舗であっても、建物の維持費、固定資産税、解体費、跡地利用などを含めて判断されます。

閉店理由が「契約満了」「諸般の事情」としか公表されない場合、公開情報だけで採算悪化を断定することはできません。

原因10~チェーン全体の店舗再編

チェーン店では、個別店舗だけでなく、企業全体の資本効率によって存廃が決まります。

本部は、限られた人材と資金を、より成長性の高い店舗に配分しようとします。

例えば、ある地方店舗がわずかに黒字でも、その店舗を閉じて、従業員や設備投資資金を都市部の大型店へ移した方が利益を増やせると判断される場合があります。

企業が比較するのは、単なる黒字・赤字ではありません。

  • 売上高営業利益率
  • 投下資本利益率
  • 改装投資の回収期間
  • 店舗当たり売上高
  • 従業員1人当たり売上高
  • 売場面積当たり売上高
  • 将来の商圏人口
  • 競合店の出店計画
  • 物流網との位置関係

このため、利用者が多いと感じている店舗でも、本部の基準を満たさず閉店することがあります。

小さな店舗ほど維持しやすいとは限らない

売場面積を小さくすれば、家賃や電気料金を抑えられる可能性があります。

しかし、小規模店舗には別の不利があります。

  • 大量仕入れの効果が小さい
  • 商品数を確保しにくい
  • 1人の欠勤の影響が大きい
  • 店長や管理者の費用を分散しにくい
  • 設備投資を売上で回収しにくい
  • 配送1回当たりの商品量が少ない
  • 値引き・廃棄を吸収しにくい

全国スーパーマーケット協会の2023年調査では、売場面積800平方メートル未満の店舗は、従業員1人当たり年間売上高が他の面積区分よりやや低い傾向が示されました。

小型化は有力な対応策ですが、単に店舗を小さくすれば採算が改善するとは限りません。

観光客が多ければ維持できるのか

外房のような観光地域では、夏季、週末、連休に来訪者が増えます。

観光需要はスーパーの売上を支える可能性があります。飲料、酒類、総菜、肉、魚、氷、行楽用品などの需要が増えるためです。

一方で、観光需要には次の問題があります。

  • 季節変動が大きい
  • 天候に左右される
  • 平日の売上を支えにくい
  • 繁忙期だけ人員を増やす必要がある
  • 需要予測を外すと廃棄が増える
  • 観光客が地域外の大型店で購入してから来訪することがある

年間数日や数週間の繁忙期だけでは、年間を通した固定費を支えられないことがあります。

観光客数だけでなく、地域内で実際に食料品を購入する割合と、年間を通した売上への寄与を確認する必要があります。

競合店がなくなれば残った店舗は安泰なのか

競合店の閉店は、残った店舗に顧客が集中する効果を持ちます。

しかし、競合店がないことが、必ずしも店舗の存続を保証するわけではありません。

地域全体の需要が、店舗を維持する最低水準を下回っていれば、独占状態でも採算を確保できないことがあります。

また、競合店がなくなった後に価格を大幅に上げれば、住民が遠方の大型店、宅配、インターネット通販へ移行する可能性があります。

スーパーには、地域内の競争だけでなく、地域外店舗や異業態との競争があります。

ネットスーパーは代替になるのか

ネットスーパーや食品宅配は、店舗まで移動できない人にとって有効な手段です。

しかし、地方では次の制約があります。

  • 配達区域外となる
  • 配達時間を指定しにくい
  • 配送料がかかる
  • 最低注文額が設定される
  • 当日配送に対応しない
  • 生鮮食品を自分で選べない
  • インターネット操作が必要になる
  • クレジットカードなど支払方法が限られる
  • 欠品時に代替商品を選びにくい

配送密度が低い地域では、1件当たりの配送費が高くなります。

ネットスーパーも、店舗型スーパーと同じように、需要密度の問題から逃れられません。

移動販売は撤退後の解決策になるのか

移動販売は、店舗へ行けない住民に商品を届ける有力な手段です。

一方、移動販売車には、次の費用がかかります。

移動販売の利益 =商品販売額 -商品仕入原価 -車両費 -燃料費 -人件費 -保冷設備費 -決済費用 -売れ残り損失

集落が分散している地域では、移動時間が長くなり、1時間当たりに対応できる利用者数が少なくなります。

利用者にとって必要性が高くても、事業者にとって採算が合うとは限りません。

そのため、移動販売を持続させるには、

  • 既存店舗との連携
  • 福祉サービスとの共同運行
  • 自治体による運行支援
  • 複数地区を組み合わせた巡回
  • 注文予約による廃棄削減
  • 高齢者見守りとの複合化

などが必要になることがあります。

ただし、補助金によって開始できても、運転者、車両更新、利用者数を長期間確保できなければ継続できません。

スーパー撤退が住民生活に与える影響

スーパーの閉店は、単なる店舗数の減少ではありません。

買い物距離が延びる

近隣店舗がなくなると、住民は遠方の店舗へ移動する必要があります。

自動車を運転できる人にとっては、数キロメートルの増加で済む場合があります。しかし、運転できない人には大きな影響があります。

食品価格以外の負担が増える

遠方の店舗が安くても、交通費と時間を含めると必ずしも安いとは限りません。

実質的な買い物費用 =商品代金 +燃料費・運賃 +配送料 +移動時間 +家族の送迎負担

商品の店頭価格だけでは、住民の負担を評価できません。

生鮮食品を買う頻度が下がる

買い物回数が減ると、保存しやすい食品の購入が増える可能性があります。

冷凍食品、加工食品、菓子、レトルト食品が直ちに健康へ悪影響を与えるとは限りません。しかし、生鮮食品を選択できる機会が減ることは、食生活の多様性に影響する可能性があります。

農林水産省は、食料品店の減少や高齢化により、高齢者を中心に買い物へ不便や苦労を感じる人が増えている問題を「食料品アクセス問題」と位置づけています。

家族の送迎負担が増える

本人が運転できない場合、家族が買い物を代行したり、店舗へ送迎したりする必要があります。

この負担は、統計上の買い物費用には表れにくいものです。

食料品アクセス困難人口という考え方

農林水産政策研究所は、食料品アクセス困難人口を、

「店舗まで500メートル以上離れ、自動車の利用が困難な65歳以上の高齢者」

として推計しています。

対象店舗には、生鮮食品店、百貨店、総合スーパー、食料品スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどが含まれます。

ただし、この定義には注意が必要です。

500メートル以内にコンビニエンスストアがあれば、統計上はアクセス困難者に含まれない場合があります。しかし、コンビニエンスストアで、価格、品ぞろえ、容量を含めてスーパーと同等の買い物ができるとは限りません。

また、自動車を保有していても、本人が安全に運転できるとは限りません。

したがって、地域の買い物環境を評価するときは、500メートルという距離だけでなく、

  • 実際の道路距離
  • 坂道や歩道
  • 商品の品ぞろえ
  • 店舗価格
  • 荷物を運べるか
  • バスの運行本数
  • 家族の支援
  • 配達サービスの有無

まで確認する必要があります。

スーパーが残りやすい条件

地方でも、次の条件がそろえばスーパーを維持しやすくなります。

  • 一定範囲に人口が集中している
  • 競合店との差別化ができている
  • 地域外からも顧客を集められる
  • 幹線道路から入りやすい
  • 十分な駐車場がある
  • 生鮮食品や総菜に支持がある
  • 店舗規模が需要に合っている
  • 物流拠点から遠すぎない
  • 従業員を確保できる
  • 建物や設備が比較的新しい
  • 観光需要が年間売上に寄与する
  • 他店舗との配送効率が良い
  • 地域住民が継続的に利用する

特に重要なのは、商圏人口の総数だけでなく、一定時間内に来店できる顧客がどの程度いるかです。

スーパーが残りにくい条件

次の条件が重なる店舗は、存続が難しくなります。

  • 商圏人口が減少している
  • 住宅が広範囲に分散している
  • 高齢化により来店頻度が低下している
  • 近隣都市の大型店へ顧客が流出している
  • ドラッグストアとの価格競争が激しい
  • 人材を確保できない
  • 冷蔵・冷凍設備が老朽化している
  • 大規模な改装が必要である
  • 配送距離が長い
  • 売上の季節変動が大きい
  • 生鮮食品の廃棄率が高い
  • 店舗面積が需要に対して大きすぎる
  • 本部の店舗再編対象になっている

一つの条件だけで閉店が決まるとは限りません。

複数の問題が同時に発生し、更新投資の時期や契約満了をきっかけに閉店する場合が多いと考えられます。

スーパーを補助金で維持すべきか

スーパーは民間企業ですが、地方では生活インフラに近い役割を持ちます。

特に、代替店舗が遠く、自動車を運転できない住民が多い地域では、店舗の閉鎖が生活維持に直接影響します。

ただし、特定店舗へ恒常的に公費を投入する場合は、次を検討する必要があります。

  • 支援しなければ本当に撤退するのか
  • 支援額はいくらか
  • 何年間維持できるのか
  • 対象住民は何人か
  • 1人当たりの公費負担はいくらか
  • 移動販売や宅配より効率的か
  • 競合企業との公平性を保てるか
  • 店舗の経営改善策があるか
  • 経営情報をどこまで確認できるか
  • 支援終了後に存続できるか

例えば、年間3,000万円の公費を投入して、実質的な利用者が1,000人なら、単純計算で利用者1人当たり年間3万円です。

この金額が高いか安いかは、代替手段の費用と比較しなければ判断できません。

店舗維持、移動販売、買い物バス、タクシー助成、宅配支援などを同じ基準で比較する必要があります。

現実性の低い主張

人口を増やせばスーパーを維持できる

人口増加は需要を増やす可能性があります。

しかし、店舗維持に必要な規模の人口を短期間で増やすことは容易ではありません。また、移住者が必ず地元店舗を利用するとは限りません。

道の駅があれば代替できる

道の駅は農産物や地域商品を購入する場所として有効です。

しかし、肉、魚、加工食品、日用品、医薬品など、日常生活に必要な商品をすべて安定的に供給できるとは限りません。

コンビニエンスストアがあれば問題ない

コンビニエンスストアは、営業時間や立地の面で重要です。

一方、価格、容量、生鮮食品、日用品の品ぞろえでは、スーパーと同じ役割を果たせない場合があります。

ネットスーパーですべて解決できる

配達区域、配送料、注文方法、決済方法、物流採算などの制約があります。

自治体が運営すればよい

自治体が店舗を直接または間接的に支える場合でも、仕入れ、在庫管理、食品衛生、人材確保、廃棄、設備更新などの経営課題は残ります。

民間店舗の赤字が、公営化によって自動的に消えるわけではありません。

地方で現実的に取り得る対応

地域全体の生活を維持するには、スーパー1店舗を無条件に残すことだけが選択肢ではありません。

現実的には、複数の手段を組み合わせる必要があります。

店舗の小型化

需要に合わせて売場面積や商品数を縮小します。

ただし、小型化による売上減と固定費削減の効果を比較する必要があります。

営業時間の見直し

利用者が少ない時間帯を短縮し、人件費や照明・空調費を抑えます。

冷蔵設備の電力費は残るため、営業時間短縮だけで大幅な改善ができるとは限りません。

予約販売と受け取り拠点

事前注文によって需要を把握し、廃棄を減らします。

電話注文を併用すれば、インターネットを利用しない高齢者にも対応できます。

移動販売との併用

店舗を商品供給拠点とし、周辺集落へ移動販売車を運行します。

店舗単独と移動販売単独ではなく、在庫と人員を共有する方法です。

医療・介護・交通との連携

通院バス、デマンド交通、福祉サービスなどと買い物機会を組み合わせます。

ただし、目的外利用や運行制度上の制約を確認する必要があります。

複合店舗化

食品、日用品、行政手続、金融、宅配受け取り、地域交流などをまとめます。

複数の需要を集約することで、来店頻度を高められる可能性があります。

一方、業務が複雑になり、必要な人材や設備が増える可能性もあります。

自治体が確認すべきこと

自治体は、店舗の閉店が発表されてから対応するのではなく、地域の買い物環境を定期的に把握する必要があります。

確認項目としては、次が考えられます。

  • 食料品を扱う店舗の所在地
  • 地区別の人口と高齢化率
  • 店舗までの道路距離
  • 自動車を運転できない住民数
  • 路線バスとデマンド交通
  • 移動販売の曜日と区域
  • 生協・宅配・ネットスーパーの区域
  • タクシー料金
  • 家族送迎の実態
  • 店舗閉鎖時の代替店舗
  • 災害時の食料供給拠点
  • 小売・物流分野の人材確保状況

特に重要なのは、現在の店舗が閉店した場合に、次の店舗までの距離と時間がどれだけ増えるかを事前に把握することです。

住民が住宅購入・移住前に確認すべきこと

地方への移住や住宅購入では、現在スーパーがあるかだけでなく、次を確認する必要があります。

  1. 最寄りのスーパーまでの実際の道路距離
  2. 自動車を運転できなくなった場合の移動手段
  3. 第二候補のスーパーまでの距離
  4. 生協・宅配・ネットスーパーの配達区域
  5. 移動販売の運行日
  6. コンビニエンスストアとドラッグストアの品ぞろえ
  7. 冬季・荒天時の移動条件
  8. 家族に買い物を頼めるか
  9. 店舗が閉店した場合の代替手段
  10. 10年後、20年後も生活を維持できるか

現在自動車を運転できる人でも、将来の免許返納や健康状態の変化を考える必要があります。

公開資料から確認できないこと

個別店舗については、次の情報が通常公開されません。

  • 店舗単独の売上高
  • 店舗単独の営業利益
  • 廃棄率
  • 人件費率
  • 賃料
  • 電気料金
  • 設備更新額
  • 本部の撤退基準
  • 契約条件
  • 今後の閉店計画

したがって、客が少なく見える、建物が古い、競合店ができたという情報だけで、閉店の可能性を断定することはできません。

閉店理由が企業から明示されていない場合は、「人口減少が原因」「赤字店舗だった」などと断定すべきではありません。

現実的な結論

地方スーパーが撤退する理由は、人口減少だけでは説明できません。

人口減少は、店舗の売上上限を下げる重要な要因です。しかし、撤退を直接決めるのは、売上に対して人件費、物流費、電気料金、廃棄損失、設備更新費などを負担し、企業が必要とする利益を確保できるかどうかです。

全国のスーパー販売額が増加していても、地方の個別店舗が安定しているとは限りません。

食品価格の上昇によって名目売上が増えても、仕入価格や各種費用が増えれば、利益は改善しない可能性があります。

また、店舗が現在黒字でも、老朽設備の更新投資を将来の商圏人口から回収できないと判断されれば、閉店することがあります。

地方スーパーを生活インフラとして維持するには、単に「住民が必要としている」と訴えるだけでは足りません。

誰が利用するのか。 1日に何人が来店するのか。 1人がいくら購入するのか。 商品を誰が運ぶのか。 従業員を確保できるのか。 設備更新にいくら必要なのか。 赤字を誰が何年間負担するのか。

これらを具体的に検証する必要があります。

スーパーを残すことが最も合理的な地域もあれば、小型店舗、移動販売、宅配、交通支援を組み合わせた方が現実的な地域もあります。

重要なのは、すべての店舗を一律に残すことでも、市場原理だけに任せることでもありません。

地域ごとに、必要な食料供給機能を定め、その機能を最も持続可能な方法で維持することです。

データ利用上の注意

本記事で使用した販売額や店舗数は、全国または業界全体の統計です。

個別の地方店舗の売上、利益、閉店理由を直接示すものではありません。

また、経済産業省の商業動態統計は、2025年1月分に2021年経済センサス~活動調査を基礎とする水準調整が行われており、2024年12月以前の販売額との間に不連続がある点に注意が必要です。

地域や個別店舗を分析する場合は、国勢調査、住民基本台帳、経済センサス、企業の公式発表、自治体資料、交通情報などを組み合わせて判断する必要があります。

主な参考資料

  • 経済産業省「商業動態統計」
  • 経済産業省「2025年小売業販売を振り返る」
  • 全国スーパーマーケット協会「2025年版スーパーマーケット白書」
  • 全国スーパーマーケット協会「スーパーマーケット年次統計調査」
  • 農林水産省「食品アクセス問題の現状」
  • 農林水産政策研究所「食料品アクセスマップ」
  • 農林水産省「事業系食品ロス量(2024年度推計値)」
  • 資源エネルギー庁「電気料金の仕組み」
  • 総務省統計局「人口推計」

地域の課題を、自分の判断に置き換えて考える

有限会社アードレでは、住まい・車・移住などの大きな選択を、 費用や将来条件をもとに数字で比較し、判断できる形に整理しています。

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はじめに~「仕事がない」と「働き手がいない」は同じではない

地方について語るとき、「仕事がない」という言葉がよく使われます。

若者が地域を離れる理由として、就職先が少ないこと、希望する職種が見つからないこと、都市部より賃金が低いことなどが挙げられます。実際、千葉県東部や南房総では、東京都心に近い県西部と比べて、企業や事業所の選択肢が限られる地域があります。

しかし、地方の雇用問題を詳しく見ると、単純に仕事の数が少ないだけではありません。

地域では、次の三つの現象が同時に起きています。

  1. 就職希望者に対して求人が少ない仕事
  2. 求人はあるが応募者が集まらない仕事
  3. 住民には必要とされているが、民間事業として採算が合わない仕事

つまり、地方には「仕事がない」一方で、「働く人がいない仕事」や「必要なのに事業者が続けられない仕事」もあります。

本記事では、千葉県東部、外房、南房総を念頭に置きながら、地方の仕事を次の二つに分けて考えます。

  • 人材が不足している仕事
  • 需要はあっても採算が成立しにくい仕事

観光、移住、起業支援といった言葉だけで地域雇用を語るのではなく、求人、求職、人口構造、商圏、移動費、人件費などから現実的に整理します。


最初に結論~地方の問題は仕事の総量より「ミスマッチ」にある

地方では、すべての仕事が不足しているわけでも、すべての仕事で人手不足になっているわけでもありません。

2026年5月の千葉県における有効求人倍率は、求職者の住所地に近い公共職業安定所で集計する受理地別で0.97倍、実際の就業場所を基準にする就業地別で1.25倍でした。

有効求人倍率とは、仕事を探している人1人に対して、何件の求人があるかを示す指標です。受理地別では1倍を下回る一方、就業地別では1倍を上回っています。これは、県内全体で見ても、求職者の居住地と求人が存在する地域が一致していないことを示します。

さらに職業別に見ると、求人倍率には大きな差があります。

2026年5月の千葉県では、建設・採掘の職業が5.89倍、保安の職業が5.16倍、サービスの職業が1.92倍、生産工程の職業が1.66倍、輸送・機械運転の職業が1.56倍でした。

一方、事務的職業は0.24倍、管理的職業は0.41倍、運搬・清掃・包装等の職業は0.63倍、農林漁業の職業は0.81倍でした。

この数字から分かるのは、地方の仕事問題が、単純な求人不足ではないということです。

求人が多く人が集まらない職種と、希望者が多いのに求人が少ない職種が、同時に存在しています。

したがって、地方の雇用問題の中心は、次の不一致です。

  • 求人のある職種と求職者が希望する職種の不一致
  • 求人地域と居住地域の不一致
  • 事業者が支払える賃金と、働く人が必要とする所得の不一致
  • 地域住民が必要とするサービスと、事業者が採算を取れる料金の不一致

「地方には仕事がない」という言葉の四つの意味

同じ「仕事がない」という言葉でも、実際には異なる状態を指しています。

1.求人件数そのものが少ない

人口が少ない地域では、企業数、事業所数、店舗数も限られます。

そのため、同じ職種でも求人が出る回数が少なくなります。希望する勤務条件に合わなければ、次の求人が出るまで長期間待つこともあります。

2.希望する仕事がない

求人はあっても、介護、建設、運輸、宿泊、飲食などに偏り、事務、企画、研究、情報処理などの求人が少ない場合があります。

この場合、統計上は求人があっても、求職者にとっては「仕事がない」と感じられます。

3.賃金や勤務条件が合わない

仕事があっても、賃金、休日、勤務時間、通勤距離、身体的負担が生活条件に合わなければ、応募にはつながりません。

特に自動車通勤が必要な地域では、燃料費、車両維持費、通勤時間も実質的な就業コストになります。

4.配偶者を含む世帯全体の仕事がない

本人の仕事が見つかっても、配偶者の仕事が見つからなければ、世帯としての移住や定住は難しくなります。

地方移住では、1人分の求人ではなく、夫婦や世帯全体の所得を考える必要があります。


千葉県全体でも求人が十分とは言い切れない

2026年5月の千葉県では、受理地別の有効求人倍率が0.97倍でした。正社員の有効求人倍率は0.72倍で、求職者1人に対して正社員求人が1件未満という状況でした。

また、有効求人数は前年同月比5.2%減、新規求人数は11.0%減となっています。千葉労働局は、県内の雇用失業情勢について、緩やかに持ち直しているものの動きに弱さが見られ、物価上昇などの影響に注意が必要だとしています。

したがって、「人手不足だから、地方では誰でも簡単に就職できる」と考えるのも正確ではありません。

求人倍率が高いのは特定の職業に偏っています。希望職種、資格、経験、勤務地、雇用形態によって、就職の難易度は大きく変わります。


人手不足が深刻な仕事1~建設・住宅修繕

2026年5月の千葉県では、建設・採掘の職業の有効求人倍率が5.89倍でした。求人が求職者の約5.9倍ある計算で、職業分類の中でも特に高い水準です。

千葉県東部や南房総では、今後も建設関連の需要が残ると考えられます。

  • 老朽住宅の修繕
  • 空き家の管理と解体
  • 屋根や外壁の補修
  • 台風・豪雨被害への対応
  • 水道、電気、給排水設備の更新
  • 高齢者住宅の手すり設置
  • 段差解消
  • 庭木や擁壁の管理
  • 道路、橋、上下水道の維持
  • 災害復旧

南房総地域は、人口減少と高齢化が進む一方で、住宅、道路、鉄道、水道などの生活基盤を維持する必要があります。千葉県の第5次南房総地域半島振興計画では、対象地域の人口が1960年の約34万人から2025年には約22万人まで約35%減少し、65歳以上人口の割合は約43%とされています。

人口が減っても建物やインフラが同じ割合で減るわけではありません。

そのため、建設や修繕の需要は残ります。しかし、人材不足が続けば、依頼から着工までの待ち時間が延び、工事費が上昇し、小規模な修繕を引き受ける事業者が減る可能性があります。

需要があっても新規参入が容易ではない

建設や住宅修繕は求人倍率が高いからといって、未経験者がすぐに独立できる分野ではありません。

必要になるものには、次があります。

  • 技術と実務経験
  • 工具、車両、資材
  • 各種資格
  • 建設業許可が必要となる工事への対応
  • 労災・損害賠償への備え
  • 見積り能力
  • 施工後の保証
  • 繁忙期と閑散期の資金管理

したがって、仕事は不足していても、参入障壁が低いとは限りません。


人手不足が深刻な仕事2~介護・医療・福祉

高齢化する地域では、介護、看護、訪問診療、配食、送迎などの需要が増えます。

千葉県は、福祉人材について、2025年度に7,113人不足するという推計を示していました。保育士の有効求人倍率も、2023年1月時点で2.64倍とされていました。([千葉県公式サイト][1])

南房総地域の計画でも、保健師の確保、救急医療体制、公的医療機関、地域包括ケア、地域密着型サービスの整備が課題として挙げられています。

高齢者が多い地域では、需要が消える可能性は低いでしょう。

しかし、需要が多いことと、民間事業者が十分な利益を上げられることは別です。

介護事業では、報酬の多くが公的制度によって定められます。利用料金を自由に引き上げにくい一方、人件費、燃料費、車両費、物価は上昇します。

訪問介護や訪問看護では、利用者宅が分散しているほど、1日に訪問できる件数が減ります。

移動時間は売上になりにくい

たとえば、1件のサービス提供時間が60分でも、往復移動に40分かかれば、実際には100分を使用します。

1日8時間働いても、移動や記録、準備を含めると、売上を得られる時間は限られます。

人口密度の低い地方では、需要があっても、1人の職員が担当できる件数が少なくなり、採算が悪化します。


人手不足が深刻な仕事3~運輸、送迎、物流

2026年5月の千葉県では、輸送・機械運転の職業の有効求人倍率は1.56倍でした。

千葉県東部や南房総では、次の移動需要があります。

  • 食品、日用品の配送
  • 農水産物の輸送
  • 通院送迎
  • 介護施設送迎
  • スクールバス
  • 観光客の移動
  • 宅配便
  • 建設資材輸送
  • 災害時物流

自動車依存が強い地域ほど、運転手不足の影響は大きくなります。

鉄道や路線バスの利用者が減少しても、高齢者や運転免許を持たない人の移動需要がなくなるわけではありません。

南房総地域の計画では、鉄道利用者の減少を踏まえ、鉄道、高速バス、広域バスの維持と、地域の実情に応じた交通サービスの再編が掲げられています。

必要だが採算が悪い代表的な分野

地方交通は、地域住民に必要であっても、乗客数が少ないと民間採算が成立しません。

運転手1人、車両1台を動かす費用は、乗客が1人でも10人でも大きくは変わりません。

そのため、利用者が少ない地域では、1人当たりの運行費用が高くなります。

これは、需要がないのではなく、需要が薄く広く分散していることが問題です。


人手不足が深刻な仕事4~保安、警備、施設管理

千葉県の2026年5月の保安職業の有効求人倍率は5.16倍でした。

地方では、人口減少によって施設や住宅の無人化が進む一方、次の管理需要は残ります。

  • 公共施設の警備
  • 病院、介護施設の管理
  • 商業施設の警備
  • 駐車場管理
  • 空き家巡回
  • 災害時の交通誘導
  • 工事現場の警備
  • イベント警備

ただし、警備業も勤務時間が不規則になりやすく、屋外勤務や夜間勤務を伴います。

求人が多くても、求職者が希望する条件と一致しなければ、人手不足は解消しません。


求人が少ない仕事~事務職を希望しても選択肢が限られる

2026年5月の千葉県では、事務的職業の有効求人倍率が0.24倍でした。

これは、事務職を希望する求職者約4人に対して、求人が1件程度しかない計算です。

地方では、事務職、企画職、管理職などの求人が少なくなりやすい傾向があります。

事業所が小規模であれば、経理、総務、営業事務を経営者や家族が兼務することがあります。専任の事務職を雇用する余裕がない事業者もあります。

また、デジタル化や業務集約によって、事務部門が都市部の本社や外部事業者に集約される場合もあります。

したがって、地方には求人があっても、身体的負担が比較的少なく、勤務時間が安定した事務職へ応募が集中しやすくなります。

これは、「働く意欲がない」のではなく、求職者が望む仕事と地域で必要とされる仕事が一致していない状態です。


農林漁業は担い手不足でも求人倍率が高いとは限らない

2026年5月の千葉県では、農林漁業の職業の有効求人倍率は0.81倍でした。

一方で、南房総地域では、第1次産業の就業者割合が9.2%と、県平均の2.5%を大きく上回っています。また、県の計画では、農林水産業の担い手確保、後継者育成、流通加工体制の整備が課題に挙げられています。

担い手不足と言われる農業や漁業で、求人倍率が極端に高くないのはなぜでしょうか。

理由の一つは、農林漁業では、雇用者として求人を出す形だけでなく、次の働き方が多いためです。

  • 自営業
  • 家族経営
  • 法人の季節雇用
  • 短期雇用
  • 外国人技能実習・特定技能
  • 独立就農
  • 漁業権や設備を伴う経営

つまり、後継者不足や経営者不足が、そのまま公共職業安定所の求人件数には表れません。

農業や漁業では、「求人が少ないから人手が足りている」とは判断できません。


需要があっても採算が合わない仕事とは何か

地方で特に問題になるのは、住民が必要としているのに、民間事業として続けにくい仕事です。

代表的なものには次があります。

  • 買い物代行
  • 通院送迎
  • 高齢者の見守り
  • 空き家巡回
  • 草刈り
  • 小規模な住宅修繕
  • 家具移動
  • 電球交換
  • 配食
  • 訪問理美容
  • 行政手続き支援
  • デジタル機器の設定支援

これらは地域生活に必要ですが、1件当たりの支払額が低くなりやすく、移動時間が長いという問題があります。


地方事業の採算を決める基本式

地方の小規模事業は、売上高だけで評価できません。

概念的には、次のように考えます。

事業利益 =売上 -人件費 -車両費 -燃料費 -移動時間の人件費 -材料費 -保険料 -広告費 -事務費 -税・社会保険料

特に重要なのが、移動時間です。

都市部では近距離に複数の顧客がいるため、1日に多くの訪問ができます。

一方、地方では、顧客宅が広範囲に分散しています。

たとえば、1件5,000円の作業を1時間行う場合でも、往復移動に1時間かかれば、実質的には2時間を使います。

1日に3件実施するとします。

  • 売上 5,000円×3件=1万5,000円
  • 作業時間 3時間
  • 移動時間 3時間
  • 準備、報告、会計 1時間
  • 合計稼働時間 7時間

ここから燃料、車両、道具、保険、広告、税金を差し引けば、十分な所得を残せない可能性があります。

この金額は比較のための仮定ですが、地方の生活支援事業では、作業単価ではなく、移動を含む1時間当たり売上を計算する必要があります。


買い物代行~必要性は高くても利用料金を上げにくい

自動車を運転できない高齢者にとって、買い物代行は重要なサービスです。

しかし、利用者が支払える金額には限度があります。

仮に、買い物代行1回の料金を2,000円とします。

買い物、移動、商品の受け渡しに合計90分かかれば、1時間当たり売上は約1,333円です。

ここから燃料費、車両費、保険、事務費を差し引く必要があります。

複数世帯の商品をまとめて購入し、同じ地域で配送できれば効率は上がります。しかし、利用時間や購入店舗、商品が異なると共同化は難しくなります。

必要なサービスであっても、完全な民間事業では成立しにくく、自治体、社会福祉協議会、スーパー、宅配事業者などとの連携が必要になる場合があります。


通院送迎~需要が強くても自由には営業できない

高齢者の通院送迎も、地域で必要性の高い仕事です。

しかし、有償で人を自動車に乗せて運ぶ事業には、道路運送法などの規制が関係します。

自家用車で自由に料金を受け取り、送迎事業を行えるわけではありません。

また、通院送迎には次の負担があります。

  • 予約時間に合わせた待機
  • 診療終了時間が読めない
  • 乗降介助
  • 車椅子対応
  • 感染対策
  • 事故時の責任
  • キャンセル
  • 早朝対応
  • 遠距離通院

単なる距離料金では、待ち時間のコストを回収できないことがあります。


空き家管理~契約数が少ないと巡回費用を回収できない

空き家が増える地域では、巡回、換気、郵便物確認、写真報告、台風後の点検などの需要があります。

しかし、空き家が広範囲に分散していると、1日当たりに巡回できる戸数が少なくなります。

仮に月額3,000円で管理契約を結んでも、月1回の訪問、報告、移動に1時間かかれば、十分な利益は残りません。

事業として成立させるには、次の工夫が必要です。

  • 同一地区で契約を集める
  • 基本料金と追加作業を分ける
  • 草刈り、清掃、修繕を別料金にする
  • 不動産会社や自治体と連携する
  • 台風後点検を追加契約にする
  • 写真報告を標準化する

空き家が多いだけでは、空き家管理事業が成立するとは限りません。

契約率、移動距離、所有者の支払能力が重要です。


草刈り・庭木管理~需要はあっても季節性が強い

高齢化と空き家の増加によって、草刈りや庭木管理の需要は増える可能性があります。

しかし、次の問題があります。

  • 春から秋に需要が集中する
  • 雨天で作業できない
  • 熱中症や事故の危険がある
  • 草刈り機や車両が必要
  • 刈草の処分費がかかる
  • 土地の傾斜や面積で作業量が変わる
  • 近隣建物や車への飛石事故がある

需要が多い時期には人手が足りず、冬には仕事が減る可能性があります。

単一業務だけで年間所得を確保するのは難しく、空き家管理、清掃、小修繕などとの組合せが必要です。


観光業~観光客が多くても年間雇用が増えるとは限らない

外房や南房総では、観光業が地域雇用の柱として期待されます。

県の南房総地域半島振興計画でも、観光人材の確保、海、温泉、食などを活用した観光振興が掲げられています。

しかし、観光客が増えても、次の条件では安定した仕事になりにくい場合があります。

  • 夏や休日に利用が集中する
  • 日帰り客が多い
  • 1人当たり消費額が少ない
  • 宿泊施設が域外資本である
  • 食材や備品を域外から仕入れる
  • 短期・非正規雇用が多い
  • 平日の需要が少ない
  • 天候で売上が変動する

2026年5月の千葉県では、宿泊業・飲食サービス業の新規求人は前年同月比22.4%減少しました。単月の数字だけで長期傾向を断定することはできませんが、観光関連の求人が常に増え続けるわけではないことは確認できます。

観光業を地域雇用につなげるには、来訪者数よりも、宿泊率、消費額、年間稼働率、地域内調達率を見る必要があります。


地方の飲食店が難しい理由

地方では家賃が安いため、飲食店を始めやすいように見えます。

しかし、飲食店の経営は家賃だけでは決まりません。

  • 商圏人口
  • 昼夜の通行量
  • 平日客
  • 観光客の季節変動
  • 食材費
  • 光熱費
  • 人件費
  • 廃棄率
  • 駐車場
  • 経営者の労働時間
  • 後継者

人口の少ない地域では、固定客の利用頻度が限られます。

観光客を対象にすると、繁忙期と閑散期の差が大きくなります。

「競合店が少ない」ことは、事業機会を意味する場合もありますが、単に市場規模が小さいため参入店がない可能性もあります。


地域内需要だけに依存する事業の限界

地方で事業を始める場合、地域住民だけを顧客にすると、人口減少の影響を直接受けます。

たとえば、人口が毎年2%減る地域では、利用率が変わらなければ、理論上の顧客数も減少します。

さらに、高齢化によって所得や消費内容が変わります。

そのため、地域事業は次のどちらかを持つ方が安定しやすくなります。

地域外から売上を得る

  • 農水産物の域外販売
  • 食品加工
  • 通信販売
  • 業務受託
  • データ処理
  • 設計、編集
  • オンライン教育
  • 観光宿泊
  • 企業研修

地域内で不可欠な継続需要を得る

  • 医療
  • 介護
  • 修繕
  • 交通
  • 物流
  • 食品
  • 住宅管理
  • 廃棄物処理
  • 防災
  • 行政・事業者向け業務

ただし、不可欠な需要であっても、料金設定や制度上の制約によって利益が出るとは限りません。


南房総地域では「働く場所の不足」も確認されている

千葉県の南房総地域半島振興計画では、就従比が0.94とされています。

就従比とは、その地域で働く就業者数を、その地域に住む就業者数で割った比率です。

1を下回る場合、地域に住む就業者数より、地域内の就業場所が少ないことを示します。

南房総地域では就従比が0.94であり、県は就業の場が不足していると整理しています。

これは、地域外へ通勤する人が一定数いることを意味します。

ただし、南房総では東京湾岸地域のように、大量の通勤者を鉄道で都市部へ運ぶことは容易ではありません。

移動時間と交通費を考えると、地域内雇用を一定程度確保する必要があります。


人手不足でも賃金を上げられない構造

人手不足なら、賃金を上げれば応募者が増えると考えられます。

理論上はその通りですが、小規模事業者には、賃上げ分を価格へ転嫁できない場合があります。

中小企業庁の2025年版中小企業白書は、中小企業・小規模事業者が、物価高、金利負担、構造的な人手不足などの厳しい経営環境に直面していると整理しています。中小企業・小規模事業者は国内雇用の約7割を担っており、人材確保、生産性向上、事業承継が重要課題とされています。([中小企業庁][2])

地方の事業者では、顧客も地域住民や小規模事業者であることが多く、料金を上げれば利用が減る可能性があります。

その結果、次の循環が起きます。

  1. 人手が不足する
  2. 賃金を上げたい
  3. 料金を上げる必要がある
  4. 顧客が減る
  5. 売上が減る
  6. 賃金を十分上げられない
  7. さらに人が集まらない

これは、事業者の努力だけで解決できない場合があります。


新規創業より事業承継が現実的な場合もある

地方では、新しい店や会社を作ることが注目されます。

しかし、既存事業者が高齢化し、後継者がいない場合、ゼロから創業するよりも既存事業を引き継ぐ方が合理的なことがあります。

中小企業庁によると、中小企業の経営者は依然として高齢で、60歳以上が過半数を占めています。後継者不在率は改善傾向にあるものの、事業承継は引き続き重要な課題です。([中小企業庁][3])

事業承継には、次の利点があります。

  • 既存顧客がいる
  • 設備がある
  • 取引先がある
  • 地域で信用がある
  • 技術やノウハウがある
  • 売上実績を確認できる

一方で、設備の老朽化、債務、低採算、属人的な取引などを引き継ぐ危険もあります。

「後継者がいない事業」だから有望なのではなく、将来需要と収益性を確認する必要があります。


地方で不足する仕事と採算が難しい仕事の整理

分野 地域需要 人材不足 採算上の問題
建設・修繕 高い 深刻 技術・設備・資格が必要
医療・介護 高い 深刻 報酬制約、移動時間
運輸・送迎 高い 深刻 乗客密度、車両費
警備・保安 一定 深刻 夜間・屋外勤務
農林漁業 地域差あり 後継者不足 季節、価格、設備投資
観光・宿泊 季節変動 地域差あり 稼働率、非正規化
買い物代行 高齢地域で高い 事業者不足 利用者が払える料金が低い
空き家管理 増加傾向 地域差あり 巡回距離、契約単価
草刈り・庭管理 高い 作業者不足 季節性、事故リスク
事務職 希望者が多い 不足とは限らない 求人そのものが少ない

この表から分かるように、「需要がある」「求人がある」「事業が儲かる」は、それぞれ異なる概念です。


地方で事業を始める前に確認すべき10項目

1.実際に料金を払う顧客は何人いるか

困っている人の数ではなく、有料利用者数を確認します。

2.顧客はどこに分布しているか

商圏人口だけでなく、移動距離を確認します。

3.1件当たり総所要時間は何分か

作業時間だけでなく、移動、準備、報告を含めます。

4.年間を通して需要があるか

観光、草刈り、農作業などは季節変動があります。

5.利用者が支払える料金はいくらか

必要性が高くても、支払能力が低ければ民間事業は成立しません。

6.法律、許認可、資格が必要か

送迎、介護、建設、廃棄物処理などは規制を確認します。

7.代替サービスがあるか

家族支援、自治体サービス、宅配、既存事業者との競合を確認します。

8.自分が働けなくなった場合も続けられるか

1人事業では、病気や事故で事業が止まります。

9.地域外から売上を得られるか

地域内人口が減少しても売上を維持できる仕組みが必要です。

10.撤退時の費用はいくらか

車両、設備、店舗、在庫、借入金の処分費を確認します。


地方で将来も残りやすい仕事

人口減少下でも、次の仕事は一定の需要が残る可能性があります。

  • 住宅・設備修繕
  • 医療・介護
  • 物流・配送
  • 農水産物の加工・流通
  • 空き家管理
  • 防災・災害復旧
  • 高齢者向け生活支援
  • 小規模事業者向け事務支援
  • デジタル手続き支援
  • 地域交通
  • 廃棄物処理
  • インフラ保守

ただし、需要が残る分野でも、すべての事業者が利益を上げられるわけではありません。

商圏の集中、共同配送、予約の集約、事業者間連携、自治体委託などによって、移動や固定費を抑える仕組みが必要です。


現実的な結論~地方には仕事がないのではなく、仕事の条件が合っていない

地方には、確かに仕事の選択肢が少ない地域があります。

特に、事務、企画、専門職、管理職などは求人が限られ、若年層や高学歴層が都市部へ移る一因になります。

一方で、建設、介護、運輸、警備、修繕などでは、求人があっても人が集まりません。

さらに、買い物代行、通院送迎、空き家管理など、住民に必要でも、民間採算が成立しにくい仕事があります。

したがって、地方の仕事問題は、次の三つに分ける必要があります。

仕事そのものが少ない問題 人は必要だが応募者がいない問題 社会的需要はあるが事業収益が出ない問題

これらを一つにまとめて「地方には仕事がない」と表現すると、対策を誤ります。

求人が少ない職種には、地域外から仕事を受注する仕組みや、既存企業の業務部門を地域へ移す施策が必要です。

人手不足職種には、賃金、住宅、勤務時間、教育訓練、職業イメージの改善が必要です。

採算が取れない生活サービスには、共同化、自治体委託、地域拠点への集約などが必要です。

地方で新しい事業を考える場合、「地域で困っている人がいる」という理由だけでは不十分です。

必要なのは、

  • 誰が料金を払うのか
  • いくら払えるのか
  • 何件集められるのか
  • 移動を含めて利益が残るのか
  • 5年後も需要があるのか

を数字で確認することです。

地方には仕事がないのではありません。

正確には、求職者が希望する仕事、地域が必要とする仕事、事業者が利益を出せる仕事の三つが一致していないのです。

この不一致を明確にすることが、地方雇用や地域事業を現実的に考える出発点になります。


地域の課題を、自分の判断に置き換えて考える

有限会社アードレでは、住まい・車・移住などの大きな選択を、 費用や将来条件をもとに数字で比較し、判断できる形に整理しています。

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